ちばにう通信

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三月 春とはいえまだ寒い日が・・・

投稿日:2012年3月1日 更新日:

三月の初めは、ハコベやホトケノザなどの野草が道端や畔の陽だまりでたくましく花を咲かせて、春の気配を微かに感じさせるが、土地はまだまだ冬の支配下にある。しかし本格的な春はすぐそばで待ち伏せて、政権交代のチャンスをうかがっている。英語でも、March comes in like a lion, but goes out like a lambと言うが、これは、三月はライオンのような荒々しい態度で始まるが、子羊のようにおとなしく去って行くとの意味。

 

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このころわれわれカントリー・ラムブラーは、谷津と呼ばれる幅の細い谷間の奥深く分け入って、ニホンアカガエルの卵を探している。このかえるは普段から雑木林の床に暮らし、ミミズやダンゴムシ、クモなどを食べているが、二~三月の寒い時期に田んぼに集まって貯まり水に産卵する。元々はどこの田んぼもその卵で賑わっていたが、産卵に適した冬に水の残る湿田は急激に減って、今このニホンアカガエルは谷津の奥にわずか残った小さな「谷津田」を頼ってかろうじて生き延びている。千葉県は「レッドデータブック」という、絶滅の恐れのある生き物に関する情報をまとめた本を作成しているが、その中にニホンアカガエルはAランク(絶滅の危険性が最も高い種類)として載っている。卵はグレープフルーツ大の丸い塊、一匹のメスは一塊を産みつける。

The Japanese brown frog is an endangered species.

鎮守の森で一休み

カエルの卵探しに疲れると、近くの神社で安息を求める。今回はニュータウン木刈地区の調節池から流れ出す浦部川水系を歩きまわって、小倉の鳥(とり)見(み)神社(じんじゃ)に一休みをとることにした。この神社は特に有名ではないが、立派な鎮守の森を誇っている。小さな本殿を囲んで、スダジイの大木5~6本と大きなクスノキ一本が高くそびえている。ぼくはラムブリン中、いつもテープメジャーを持ち歩いている。大木の周囲を図るために使うが、ここのクスノキはトトロの住むものと比べるとまだ小さくて、周囲350cm(直径110cm)。

 

クスノキは典型的な常緑(じょうりょく)広葉樹(こうようじゅ)。関東地方にはあまり自生しないが、植えれば元気に育つ。神社の神聖の木のほか、公園樹や街路樹にも広く使われている。枝や葉を蒸留して、衣服の防虫剤や防腐剤として利用できるcamphor(樟脳(しょうのう))を取りだす。クスノキの葉を千切れば樟脳の独特な香りを嗅ぐことができる。また、クスノキは虫害や腐敗に強いから、昔から船の材料として貴重とされてきた。日本のクラシック神話(日本書記)によると、高天原を荒らして追放されたあの暴れん坊神スサノオが、自らの眉毛をむして最初のクスノキを創生したという。

Susano created the first camphor trees from his eyebrow hairs.

鎮守の森の大木に夢中になると、ずっと天上を見ていて、首にひきつりを起こす。こうなると、目線を完全に変えて、地面すれすれに注目する。ここでまた面白い常緑樹に出会える。これは大木それどころか、高さわずか10センチ、幹の太さ数ミリ、葉っぱは指で数える程度の小人妖精のような木。ヤブコウジという。一日中暗いところでも構わないから、スダジイなどの大木の下で元気に生える。世界でも最も小さな木の一つかも知れないが、英名coralberry(サンゴのように鮮やかな色の実の意味)らしく、宝石のように美しく輝く赤い実を1~2個飾っている。

The tiny coralberry tree has beautiful red berries.

 

キツネよ、姿を見せてくれ

ぼくは25年間このニュータウン周辺をラムブリンしているが、いつも探しているのに一度もみたことのない動物がある。キツネだ。ちょっと変な趣味と思われるかもしれないが、ぼくは車にはねられて死んだ動物の死体を見かけたら必ずチェックする。今まではタヌキ、アライグマ、ハクビシン、ノウサギ、イタチなどの死体を確認しているが、キツネはない。「草深原のキツネ」などの妖キツネ伝説もこの辺に語り継がれてきたし、また、動物調査の一環として仕掛けられる自動カメラにキツネの姿も時々映る。だからキツネは間違いなくいるが、ぼくの前に姿をぜんぜん見せてくれない。くやしい!

I have never seen a fox here in Inza !

 

   Once upon a time, a man owned a small candy store in Yoshida Village. Every third day, the man carried his shoulder pole across Sofuke Field to Kioroshi Town to stock up on candy for his store. One sunny day in late autumn, the man was on his way back from Kioroshi when he met a small dog. The dog wagged its trail, and the man followed it deep into Sofuke Field. The afternoon turned to twilight, and the man grew tired, cold and confused. He was now completely lost.

Just as night’s black curtain descended, the man saw a light up ahead. It was a farmhouse. He knocked on the door, and an old couple invited him in. The man fell asleep in the farmhouse. The next morning, he told the story to the couple. They laughed. “There’s a mischievous old fox living in Sofuke Field.” They said. “He likes to bewitch people.”

candy store菓子屋 Yoshida Village吉田村(現在の印西市吉田、総武カントリークラブの南に位置) every third day 三日おきに shoulder pole天秤棒 across横切る Sofuke Field草深原 Kioroshi Town木下の街 stock up on仕入れする late autumn晩秋 wag振る twilightたそがれ confused混乱した lost道に迷った descend降りてくる farmhouse農家 couple夫婦 invite in(家の)中へ招き入れる mischievousいたずら好き bewitch 化かす。

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