ちばにう通信

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四月 復活祭にやってくるウサギは春の女神の使いだ

投稿日:2012年4月1日 更新日:


Here comes Peter Cottontail
Hopping down the Bunny Trail
Hippity-Hoppity, Hippity-Hoppity
Easter’s on its way

 これはぼくが幼い頃で母や叔母によく聞かさせてもらった伝承童謡。「おら、ワタオウサギのピーターが兎道を跳ねてやってくる。ぴょん・ぴょん・ぴょん・ぴょん。もうすぐ復活祭だよ!」のような意味です。西洋の暦上、復活祭は春分を過ぎた最初の満月の後の日曜日と決まっているが、今年は4月8日だった。復活際は十字架に磔にされたイエスが死から生き返って天に昇ったという奇跡を祝う大事な祭りだが、多くのキリスト教の祭り同様、古代のアニミズム的な宇宙観から多くのモチーフも取り込んでいる。復活祭は英語でEasterというが、これは古代ゲルマンやアングロサクソン人が祀った春の女神エストレ(Eostre)にちなむ。そして、エストレの使いとされるウサギやその象徴であるタマゴが、そのまま復活祭の風習に残されている。

ウサギは春の女神の使いとして特に相応しい。冬を通してあまり目立たないウサギは、春になると繁殖期を迎え、全くばかげたようにはしゃぎまわりだす。ウサギの絶好な餌場となる牧草地が広がるイギリスや北欧のカントリーサイドには、春のウサギの存在は特に大きい。ぼくのアパラチアン山地の田舎にもウサギが満ち溢れていた。牧草地の多いカントリーサイドには、ウサギは食物連鎖の中盤を固めて、キツネ、イタチ、中型の猛禽類など多くの捕食動物の貴重な餌となる。

可愛らしいバニーと旺盛な繁殖力のノウサギ


ウサギのことは英語でrabbit, hareまたはbunnyと言う。そのなかのバニーは日本語の「うさちゃん」のように幼児が用いる可愛いらしい感じの愛称である。復活祭で子供にチョコを運んで、色を付けた湯卵を隠すイースターバニーはこのイメージ。全く反面、ウサギの激しい求愛行動や見事な繁殖力に注目して、ホステスクラブのバニーガールのような官能的な女性に見立てることもよくある。

ピーターラビットに代表されるrabbitは、地中に巣穴を掘ってその中に子供を育てるアナウサギ(穴兎)の仲間を指す。巣穴の中に保護されているアナウサギの子供は裸、目の閉じた状態で誕生する。ペットショップやこども動物園などで観られる可愛いカイウサギもアナウサギの仲間。

対照的にhareは巣穴を利用しないノウサギ(野兎)の仲間のこと。ノウサギの母は地面を少し掻いてごく浅い窪みを掘り、その中に子供を産む。こどもは生まれながら毛で覆われ、目も開いている。生まれてすぐに走ることもできる。不思議の国のアリスの「めちゃくちゃ御茶会」のエピソードでアリスをいらいち立たせるMarch Hare(マーチ・ヘアー=三月ウサギ)はノウサギの仲間。英語でMad as a March Hare (三月ウサギのように気が狂っている)という古い慣用句があるが、これもノウサギの激しい繁殖行動に習ったものである。

ニュータウン周辺の野原を駆けまわるノウサギ

畑の作物、畔道の野草、または雑木林の下草など美味しい餌に満ちているニュータウン周辺のカントリーサイド(田園景観)にも野生のノウサギが暮らしている。これはニホンノウサギ(Japanese hare=日本の兎ではなく、日本野兎)という、本州、四国、九州と佐渡島に棲む日本の固有種(日本だけに生息する種)である。ニホンノウサギは人見知りで夜行性、昼間は密集した藪などに潜んでいる。また、群れを作らないで単独で生活するから、数もけっして多くはない。だからノウサギを直接に見かけることは少ない。でも畑に残された足跡や糞でその存在を簡単に確認することができる。

 

ノウサギの足跡は一目瞭然。後足の大きな跡が前足の小さい跡の前につく。これはノウサギの走るフォームの結果。前足で着陸するが、それから後足を前方に出して地面を蹴って力強く跳ねる。穴を持たないノウサギが敵から逃れる唯一の頼りになるのはこの後足のすさましいパワー。フルスピードで走ると一跳で2メートルも跳べる。犬や猫、タヌキなどはまったく相手にならないが、宿敵であるキツネも足がとっても速い。ノウサギとキツネとの命をかけた駆け競べは、夜のカントリーサイドに繰り広がる名ドラマなのだ。

   Late one night, a drunken man was walking home through a dark forest. He heard a cat meow. Can you play the flute?” He asked. “No, I can’t.” The cat answered. “Because I drank some hot gruel and burned my throat.”
The man was very scared. He ran all the way home. “A long time ago,” His grandmother told him. “A pet cat named Hachiro drank some hot adzuki-bean gruel. He scorched his throat and died.”
The cat in the dark forest was Hachiro’s spirit. The man made a memorial stone to pray for the cat-spirit. You can still see this stone beneath three huge zelkova trees, at a crossroad just up the hill from the Muzai bus stop in Inzai. The stone was carved in 1891.

 

drunken manよっぱらい through a dark forest暗い森の中を meow猫の鳴き声(猫は英語でミーアオと鳴く) play the flute笛を吹く can’t出来ない(can notの短縮形) answer返事する hot gruel熱いお粥 burn 火傷する throat 喉 scared怖がる adzuki-bean gruel小豆粥 scorch火傷する spirit 魂、霊  memorial stone供養塔 pray for祈る huge でっかい zelkova ケヤキ crossroad just up the hill from the Muzai bus stop武(む)西(ざい)のバス停留所から坂を上った交差路 carved彫る 1891 明治24年

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