ちばにう通信

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季節に導かれて

投稿日:2006年2月11日 更新日:

梅の古木の枝々を見上げる日が続いている。つぼみも少しは膨らんだとはいえ、この冬の寒さは、一輪ほども綻びるのをためらわせているようだ。

厳しい寒さに加え、驚異的な豪雪に見舞われた地域の方々にとっては、雪解けの春を待つ気持ちもひとしおであろうかと思う。ようやく日の光にも春の足音を感じられるようになって来たのは何よりである。暖かな陽光は誰の心にも降り注ぐことであろう。

この冬は、私もあらためて太陽のありがたさを感じる日々が続いた。凍てつく朝の寒気の中、ゆっくり太陽が昇り始めると、霜で一面真っ白だった畑は、きらきらと眩しいほどに輝き出す。触ると折れてしまいそうなまで凍りついた、ブロッコリー・キャベツ・コマツナ等の葉が、そのやわらかな日差しを浴びてゆくうちに、やがて元のしなやかな葉に戻るのだ。寒さに縮んだ人の心や体も、日だまりの中でやがて和み柔らかくなるのと同じように。

夏の頃の勝手な思いも遠のき、今更ながらも太陽の力に感謝の念を抱きつつ、その恩恵を体感できる厳冬の頃こそ、自然界に息づく「命」の原点を見つめるにふさわしい時なのかも知れない。

その時期はまた「農閑期」でもあるのだが、農に関わりのある方ならもちろんご存じかと思う。ただその現状はとなると、幸か不幸か多くのところで「農閑期」を持てなくなっているのが実情ではないだろうか。それというのも様々な農業資材や技術による生産手段の出現で、年中作物を育てることが可能になってしまったことで。

農閑期とはいえ、かつてはその時期ならではの貴重な作業もあったようだが、今は殆どその姿も見かけない。

まず命の芽吹く春から始まり、その成長ぶりに追われる夏を経て、やがて実りの秋へと、畑も移り行く季節とともに作物や作業も次々変わり続ける。だからその間はついその変化に紛れ、起きたことをじっくり振り返ったり、あり方を見つめ直すというような時を持つのも自ずと限られる。さらに私などは年齢的なことも手伝って、後回しや、やり残してしまうことも年々増えてくるという次第である!

そんな身にとっては、畑の多くの命が眠り、静けさに包まれた頃に訪れる「農閑期」には、随分助けられていて、とても大切なひとときとなっている。

日々の流れがますます速度を上げているのではと錯覚するほどに、目まぐるしい変化の続く昨今だから、さらに早さや量的なものを求める代わりに、ぜひお勧めの、“元祖「スローライフ」!”の習慣と思うのだけれど。

それにしても、各地で気候変動に伴う記録的な寒波や豪雪の知らせが相次いだ。年々その度合いも激しくなっていることも事実であるし、今後様々に影響を与えて行くと思われる。となると、作物を育てたりする上でも、これまでのように予報や技術に頼るのも難しいかも知れない。となれば、様々な自然現象に対して、出来る限り謙虚に、心を澄ませ感覚を研くことが大切になるのではないだろうか。そんな思いはやがて、自分で作物を育てる人たちが増えたらという願いにもつながるのだが。

「今年はどこに何をどんなふうに」等と、作付けを巡らすことも余裕を持って楽しめるのも今。まもなく、自然に心も体もじっとしてはいられなくなる!昨年集めた落葉もたっぷり雑草と一緒に積み上げてある。まずは来月に入ったら、ジャガイモから植え付けるとしよう!

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