ちばにう通信

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日一日を安全・安楽に過ごしていただくために

投稿日:2017年5月16日 更新日:

佐伯 咲

(「月刊千葉ニュータウン」2017年5月13日発行号所載)

 「そのままでいいなんて簡単に言わないでよ。今のままを維持するのだって私には精一杯なんだから」(村上春樹著、『国境の南、太陽の西』)

ご利用者の皆様が送迎車に乗って帰宅された後、事業所に残ったスタッフは、フロア各所の清掃業務を行い、次の日の準備をし、今日一日のご利用者様の記録を付けたりしながら送迎車の帰りを待ちます。そして送迎に出ていたスタッフが戻ってきてから、皆で一日の振り返り(ミーティング)を行います。そこで利用者様の一日のご様子の報告や、介助内容が適切であったかの検討、ご家族様から連絡帳や電話でお伝え頂いたご要望などの周知、一人一人の加算減算(入浴・送迎等)の確認、明日以降の予定などが話し合われます。それらを一通り済ませて、今日一日が恙無く終わったことを確認したら、ようやく一日の業務が終了となります。

私達介護士が従事するような介護サービス事業所は、その性質上、程度の差こそあれ何かしらの介護を要する方、ないしその予防が必要な方がいらっしゃる場所であり、私たちはその一人一人に対して適切な援助を行うことが求められます。

例えば、帰宅欲求が強くてすぐに外へ出ていかれてしまう方や、足元がおぼつかなくてもどうしても一人で歩こうとしてしまわれる方は、サービスの提供時間中は常にどこにいらっしゃるか確認しておく必要があります。また、目の前に物があると何でも口に運ばれてしまう方の前には不必要な物を置いていては大変危険ですし、別の方で、手近な物をどこからか取ってきては周りの方に「どうぞ」と配り始めてしまう方もいて、是非ともその二人を廻り合わせる訳にはいきません。

その間にはもちろん、通常の食事や口腔ケア、入浴、排泄の介助や、レクリエーションの提供なども行っています。

それらの事柄に対して、限られたスタッフの人員配置で、いかにして安全で安楽な支援を行えるかが、私達の常の課題となります。ご利用者様の状況を把握し、スタッフ間で意見を出し合い、それを実際に行ってみます。それが上手くいくこともあればいかないこともあり、時には私達だけでなくご家族様やケアマネージャーの方々に相談に乗っていただきながら、また新たな支援の方法を考察し、実践していくというふうな循環を常日ごろから行っています。

帰りのミーティングの際、諸々の話が済んでから「本日、著変ありませんでした」と締められるその言葉の中には、先のような、一人一人に対して積み重ねてきた働きかけが凝縮しているように思います。ふとそう感じた時に、冒頭の言葉が頭をよぎりました。(本文ではお腹周りのことについて話される言葉ですが、私の状況と相まってでしょうか)
ご利用者の皆様には、今後ともお変わりなく安全・安楽な日一日を過ごしていただけるよう、私達としても出来る限りの準備をして、明日もお待ちしております。

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