ちばにう通信

地域をつなぐ「月刊千葉ニュータウン」のサイトです。

HOME > 明日元気にな~れ

(38)憂いを含んだ美しい女性が二階に

投稿日:2007年4月14日 更新日:

別れの日、振り向くと
桜が咲いていました。
出会いの日、見上げると
桜が咲いていました。
別れと出会いを繰り返しながらも
「桜のように」と
前を向きました。

花便りが新聞に載りだすと、何となく浮き足だってきます。日本の春には、桜が欠かせません。入学式の時期はどこの学校でも桜が満開で、お花見の名所では夜遅くまで宴が続きます。

「枯れるまで染井吉野と呼ばれたい」と、以前書きましたら、その後もずーっと覚えて下さっている方がいて、桜の頃になるとお便りを下さり、元気づけられます。

時間だけはたっぷりあった学生時代、河原の土手で寝ころび、満開の桜の木の下で軽い文庫本などを読むという楽しみがありました。お金のなかった時代、新刊は高いが文庫ならお小遣いでも買えた上、必読の名作が揃っていたのでせっせと読みふけったものです。

時々難しい昔の古い字が出てきたこともあり、昔の小学校(尋常高等小学校)しか出ていない母によく聞いたものです。母は覚えやすいように教えてくれました。たとえば「親」という字は「木の上」に「立って」「見る」、それが親だと。その他いろいろ教えてもらいましたが、いちばん心に残っているのが「櫻」という字です。これは「二階の女が気にかかる」と覚えたらいいよ、と。「櫻」は二つの〝貝〟と〝女〟が〝木〟ヘンにかかっているというわけです。

この覚え方を知ってから「櫻」という字に、なんとなくなまめかしく、華やかなイメージを感じるようになりました。「憂いをふくんだ美しい女性が二階にいらっしゃる」などと想像してみたり・・・・。

でも今使われている「桜」という字体では、そうは参りません。

「櫻」は意味を表す〝木〟と、発音を表す〝嬰〟を組み合わせた漢字です。〝嬰〟、つまりツクリの部分を草書体でくずして書いた形を楷書にしたのが「桜」です。でも、この「桜」では、二階にあのきれいな女の人は居ないのです。いったいどこへ行ったのでしょうね!?

-

執筆者: