ちばにう通信

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(43)カレーによるもの

投稿日:2007年9月15日 更新日:

「私、目は近いけど、その代わり耳は遠いの」と言って、人を笑わせていた頃がなつかしい。
最近、冗談でなく、耳が遠くなった、とくに左の耳が聞こえなくなった感じがするので、思いきって病院に行って来ました。

丁寧な診察のあと、先生は「カレーによるものですね」と、さらりとおっしゃいました。「えっ、カレー?」。加齢という言葉がすぐに思いつかず、キョトンとしている私に笑いながら「歳ですね」と。

少し前までは、「老化ですね」と、言われたものです。

「目の中に黒いものが飛んでるのですが・・・」「ひざが痛いのですが・・・」「腕が上がらないのです・・・」といったような時、どこの病院でもいわれたのが「老化ですね」だったのですが、最近は「加齢ですね」に変わってきて、そう言われると、何もいえなくて納得してしまうのです。

本紙に広告を出してくださっている先生、「吉川さん、いつも読んでいますよ」といわれ、顔が赤くなりました。

結局、〝加齢によるもの〟なので、しかたなく帰ってきたのですが、後から、どうして先生に言い返さなかったのだろうと、悔しい思いをしました。「先生、左の耳が加齢とおっしゃったけど、右の耳も同じ歳なんですよ」と。

これからは「加齢」にも慣れていかなくてはならないでしょうね。開き直って「加齢現象にどっぷり浸かってやろうじゃないか」といえたらいいでしょうね。

歳をとって、何か良いことあるかしら、と考えてみました。

ありました!

ものに驚かなくなります。「大丈夫、なんとかなるさ」とたかをくくることができます。

ものに執着しなくなりました。生きてきた時間よりもこれからの方がはるかに短い。楽しいことはやっちゃえと、積極的になります。

優しくもなります。が、耳鳴りがはじまった向こうで夫が何か言っています。今は聞こえないふりをしておこうっと。今日の私は機嫌が悪いのだ。

さて皆さん、「若返りの泉」をご存じでしょうか。

ベルリンの国立絵画館にある絵なんですが、この絵の前にくると、皆必ず立ち止まって、ニヤリとします。

十六世紀ドイツの画家、ルーカス・クラナッハが描いた絵で、森の一角に老女たちが夫に背負われたり、干し草車で泉に運ばれてきます。しばらく水浴すると、だらりとした乳房が盛り上がり、しわだらけの肌がつるりとなり、白髪が金髪になるのですって。こんな泉に足の先から頭まで、どっぷり浸かってみたいです。

今までの歳月で育てた分別はそのままで、肉体だけ永遠に若く、美しくありたいと願う私です。

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