ちばにう通信

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(12) ハワイ島にて ~ア―ちゃんの成長~

投稿日:2016年12月20日 更新日:

夫の三回忌が過ぎたある日「お父さんが好きだったハワイ島を見ておきたいでしょう」と言って、娘は私を旅行に誘った。

ハワイ島を知らぬ私を案内してくれるというのである。そして彼女の子で私の孫のアーちゃんには、ワイコロアのホテルで行っているドルフィンクエストを体験させてあげたいと思っていたのだ。体の弱い娘の多少なりとも助けになること、孫の成長ぶりをみること、夫への想い・・・・と旅の目的が揃ったので一緒に八日間の旅に出かけることにした。

滞在中は天候にも恵まれ、プライベートビーチでのシュノーケリングや、最大目的のドルフィンクエストを十分楽しむことができた。そして一日は、夫が定宿にしていたコナのカメハメハホテル迄タクシーで往復し、夫が歩いた道を娘の案内で歩き、夫が夕方小さな釣りをした美しいビーチで遊んだ。夫がいつも乗っていた鮪釣りの船は、少し離れた港にあり、今回は見られなかったが、孫はカメハメハホテル前のビーチが大層気に入り、種類豊富な魚や蟹をみつけて三時間程遊んで過ごした。うつぼも岩陰に居て臨界距離を侵さぬ様注意した。

さて第一の目的であったイルカとの触れあいは、アーちゃんにとって冒険かと思われたが、一人で大丈夫と言って指導の青年に平気でついて行った。名前を訊かれるとアイム・アマミコと答え、年齢を尋ねられるとファイブと返したが、あとはよくわからないままドルフィンクエストが始まった。娘は「大丈夫、大丈夫。何とかやってくるし、困ったとしても良い経験になるじゃない」と送り出す。

何でも経験させてみようという姿勢は娘の夫からの良い感化にちがいない。私と娘は四十米程離れた池の外で様子を見ていた。イルカと触れあう前にワイコロアビレッジの探検があり、海亀や魚探しを一廻りして再びイルカの池に姿を見せた孫は、ツーとかイエローとか知っている単語を声に出し、手振り身振り顔の表情迄動員し、最低限のコミュニケーションをとっていた。後から聞いた孫の理解では海亀探しの旅だったそうだ。

さてドルフィンクエストに戻ろう。今度は女性のトレーナーが合図の仕方等を教えてくれて、イルカが廻ったり、ボールの投げ合いをしたり、啼き声を出したり、キスをしたり等々、かなり長い時間を楽しんでいた。十分満足したアーちゃんは嬉しそうに笑顔で戻って来るなり「ママ、もう一回イルカさんと遊びたい」と言うので、帰り際に再度の申込みをした。

そして部屋に戻る道すがら、アーちゃんが海亀をみつけたのだ。興奮したアーちゃんは「ママ、お兄さんに海亀見たよって英語で言いたい。何ていうの教えて」と、英文を何度も暗唱する迄繰り返していた。そして二回目の参加の時、無事英語で伝えることができ、意思疎通できた達成感を味わったアーちゃん。恐れず人と触れあえる。何とかして気持や思いを伝えたい。

アーちゃんの成長を見ることができた旅であった。夫も見ていたにちがいない。

(平成28年12月10日付)

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