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(第3回)台湾人から観た 日本の台湾統治

投稿日:2016年3月18日 更新日:

台湾の人は親日家が多い。それは今の日本人が作った関係かというと、そうではない。台湾人が日本人であった頃にできた関係だ。

当時の日本の植民地政策が、台湾の人々にとって決して悪いことばかりではなかったからだ。教科書や大新聞の論調は、植民地政策の否定的な側面をデフォルメしがちであるが、実際は台湾にとって利するところが多かったのだと台湾人自らが語っている。台湾人である知人のK氏は、第四回日経アジア賞を受賞した際にも、記念講演会の中で日本の台湾統治について述べている。欧米の植民地政策は自国の利益追求であるのに対して、日本は自国の負担をかえりみず莫大な財政出動をし、それによって台湾人の生活はそれ以前に比べてめざましく向上したと。K氏の言葉を借りると「日本程良心的な植民地政策を採った国はありませんよ」ということになるのだ。

具体的に挙げると、

一 教育の普及(普通は被統治者を統治者に盲従させる為に教育を施さないが、日本は施設を整え、一流の教師を日本から呼びよせた)

二 病院の建設(誰もが等しく医療を受けられた。予防接種、回虫駆除の制度もあった)

三 上水道、下水道(東京にもない)の整備

四 治水による農業振興(鳥山頭ダムの建設)

五 産業振興(道路の敷設、日月潭発電所建設、新渡戸稲造による製糖技術の導入等)

その他にも、その功績を慕い廟を建て現在に到っても祀られている警察官森川清次郎の話や、生徒の尊厳を気遣いながら貧しい子供の面倒をみた教師、戦後の物資不足の中での日本人の矜持、「夜不閉戸」の治安の良さ等々、台湾に渡った日本人の人品卑しからぬ事を示す逸話も数多く残っている。親日の情は、こうして培われたものであることがわかる。

もちろん植民地政策である限り、総て良いとはK氏も私も考えてはいない。K氏の「台湾の歴史」と題する文の中で、生意気な役人や、台湾人に対する優越感を示す日本人が出てくる。しかしすぐそのあとには、使命感の強い教師や、横暴であっても節度のある役人の記述が続くのである。

そしてK氏は言う。「古澤さん、今の日本人は戦前の同胞を悪し様に言うけれど、昔の日本人の方がずっと立派でしたよ」と。二つの大戦当時、領土拡大は先進国の国是のようなものであったから、当時の植民地支配自体を全否定するとなれば、今まで書いたことは全くの無駄となる。しかし植民地支配であっても、その内容は欧米と異なっていて、その異なった所にこそ日本らしさがあるとすれば、それは歴史として後世の人々に伝えておくのが公平というものであろう。将来日本の歴史を背負う者達に、できる限り偏りのないものを残すことは、今を生きる者の責務である。

(平成28年3月12日付)

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